欅窯

欅窯

庄司宣夫

  • 長崎県長崎市

略歴

1942年 木浦(朝鮮)に生まれる
1965年 長崎県庁職員になる。
1973年 暮らしの工芸「けやき」開店
1976年 沖縄に通い始め、大嶺實清と知り合う
1992年 北窯開窯とともに読谷山焼北窯 松田米司の外弟子となる
現在、長崎市にて食器を中心にうつわ作りをする。
日本民藝協会常任理事。

庄司さんの器を最初に目にしたのは、倉敷の民芸店「融/とおる」さんでした。
なんともいえない素朴さと溢れんばかりの優しさ。そして、どこの国のものか分からない異国感が漂いながら、不思議と日本の食卓にすんなり合う器という印象でした。この印象は今でも変わりません。伺うと、長崎でインドカレー屋さんを営みながら日用使いの器を作陶されているとのこと。そして、そのカレーが美味しい!とのこと。庄司さんの器を自宅で使い、すんなりと生活に馴染む庄司さんの器を眺めながら、伺おうと決意し長崎へ向いました。

庄司宣夫さんは、長崎市万屋町でインドカレー屋さん「欅/けやき」を営みながら、レストランの地下にてギャラリー兼ショップを構えていらっしゃいます。奥様の秀子さんは「結工房」として藍染めの布作品を作られています。インドの造詣が深く、ご夫婦で長年もの作りをされている庄司ご夫妻。地下のギャラリーには、お二人の作品の他、インドで買付けられた品々や日本、世界各国の品々が並びます。

沖縄の読谷山焼北窯 松田米司氏の外弟子として修行された庄司さん。器の白化粧や蹴り轆轤の技術は沖縄で学んだそうです。しかし、親方である松田米司さんに伺うと「沖縄に来たら私が親方だけど、沖縄から出たら庄司さんが先生ですよ。庄司さんの器やその歴史に対する造詣の深さは本当に素晴しいんです」とのこと。確かに、庄司さんは日本民藝協会の常務理事を務められ、長崎民芸協会は「けやき内」とされています。しかし、それらの肩書きや情報を知らずして私たちが惹かれたのは、庄司さんが今まで触れて感じてきたであろう想いのようなものが作られる器に色濃く反映されていて、器から感じる温かみと外に向いている目みたいなものに興味をそそられました。ご本人にお会いすると、哲学者のような佇まいに溢れるばかりの知的さと静けさ。しかしお話を伺いながら垣間見れる好奇心の豊かさ。本当にお会い出来て良かったなと思う方でした。そして庄司さんが営まれているインドカレー屋さんで、それは美味しいインドカレーを庄司さんの器で頂くと、なぜこの形になったのかなども垣間見れて、使いながら今の形や釉薬が決まって行ったという事が見て取れました。

欅窯で作られる土は、有田の土と唐津の土を混ぜて作られています。釉薬は、木の灰に長石や土類を混ぜる「灰釉」に、栃木の葦沼石による「黒釉」、銅を焼いた錆粉を混ぜて作った「緑釉」が用いられます。九秋の土は主に赤土で黒い焼き物になるそうです。白い器や磁器に憧れた昔の九州の陶工達は、半が脇の黒い器に白い泥を塗り白い器を焼く事を考えたといいます。欅窯でも白化粧が多く用いられます。日本の食卓に合う静かな雰囲気の食器を心がけて作られている欅窯の器。静かながら楽しさや人を寛がせる雰囲気も併せ持つ器です。

長崎に行かれる際には、庄司さんご夫妻が営まれるインドカレー屋さん「欅/けやき」で美味しいインドカレーをご賞味下さい。

〒852-8155 長崎県長崎市中園町2-4
カレー&工芸 欅
http://www.keyaki-kougei.com/


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