シャルポタリー

シャルポタリー

  • フランスRhône-Alpes

略歴

ジャンジャック・デュベルナー 1955年生まれ
200年以上続いた歴史あるシャルポッタリーの最後の後継者ジャンマリー・パコーに1976年に師事し、パコーの最後の弟子であるジャンジャック・デュベルナー。現在のフランスでは珍しくなった薪窯、土作り、蹴り轆轤を学ぶ。日々の生活で用いる焼き物からガーデニングのものまで、轆轤から絵付けまでを手がける。パートナーであり共にシャル ポッタリーを支えるナタリー・プゼは25年間焼き物作りに従事した後、現在は彫刻家として活躍している。彼女の作品はセーヴルの国立セラミック美術館やグルノーブルの美術館に飾られている。

焼き物の産地と呼ばれ、現在でも数多くのセラミストやアーティストが集まるドローム県のルシヨンにあるシャルポッタリー。200年以上続いた歴史あるこのシャルポッタリーの最後の後継者ジャンマリー・パコーに1976年に師事し、パコーの最後の弟子であるジャンジャック・デュベルナーが1985年に窯を買取り継承しています。ジャンジャックは、最後の後継者であり彼が師事したジャンマリー・パコーから技術のみならず、シャルポッタリーの歴史や数多くいた陶工たちの話を聞き、また焼き物作りは生活と密着している仕事だと教えを受けました。動物の世話やそれにより得る卵やヤギの乳、季節の野菜や山菜、果実などの収穫。近隣の高齢者が困っていたら助け、変わりに畑の野菜や庭になった果実をもらう。焼き物だけを作ればいいのではなく、生活の一つ一つが焼き物づくりに活かされ焼き物を理解する上でも大切だと語るジャンジャック。

フランス政府によりEPVと呼ばれる無形文化財企業(Entreprise du patrimoine vivant)として認証されているシャルポッタリー。フランスの伝統を象徴し稀少な技能を受け継ぐ手工業の優れた技能に対し、企業の規模の大小によらずフランス政府が厳格な審査を行い発行する唯一の認定です。その認定を受けたシャルポッタリーは、主にフランスのスリップウェアと呼ばれる陶土に釉薬をかけた陶器を作っています。フランスのスリップウェアは、作り手の日々の楽しさを表現すると言われています。牛や馬ややぎ、犬やうさぎなどの動物、木々や鳥のさえずり、庭や畑にたわわに実る果物や作物などを描いたものが多いのも工房が自然豊かな場所にある所以でしょう。また日々の人と人とのつながりを描いたものも多く見られます。

1990年からパートナーでありアーティストのナタリー・プゼと3人の子供を育てながら、夏は今はフランスではなかなか見ることがなくなった土作りを。秋と冬は主に轆轤を。そして春には装飾と窯入れをします。春からはフランス全土で始まる焼き物のマルシェにも自ら車に焼き物を積んで出店します。販売という目的はもちろん、セラミストの友人たちとの再会もとても楽しみだというジャンジャック。そんな毎年変わらない暦の移り変わりも、退屈だと捉えるのではなく耐えることのない好奇心と共に喜びと考えるジャンジャック。それが彼が作る焼き物にも溢れんばかりに表現されています。

ジャンジャックとナタリーの自宅には、素晴らしいアート作品や世界中の民芸品と共に彼らの友人たちの焼き物やカゴも所狭しと並んでいます。フランスでは焼き物も彫刻もカゴも全て同じ立ち位置で捉えられているのが面白いところ。日用品もアートも境界線がなく、美しいものや楽しいものへの関心が高いのはやはりフランスならではなのかもしれません。ペタングをし趣味の蚤の市に行き、生活を楽しむジャンジャックとナタリー。工房に伺った時には、窯の横のテラスに蚤の市で買ったという古くて大きなレコードプレーヤーにニック・ドレイクのレコードがかかっていました。また大きなキャンバスに描かれた女性はペタングの女神アニーがユーモラスに描かれていました。庭にはナタリーの作品があちらこちらに置かれ、ジャンジャックが轆轤でひいて作ったハチのオブジェが庭のバラの木にかけられていました。食卓にはご近所の木からおすそ分けしてもらったというベリーが並び、作業場の一角では自家製ベーコンを乾燥させているところでした。民藝とは「暮らし」だと言いますが、まさにその「暮らし」を楽しんでいるお二人のポッタリーです。ラテンの国、そしてユーモアのあるフランスらしいスリップウェアをどうぞお楽しみください。

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